大家庄マイクロ発電所が始動 -新型水車を開発-
7月25日、朝日町大家庄で、大家庄マイクロ発電所の発電開始式があった。この事業は、農林水産省の低コスト発電設備実証事業として、昨年、富山県土地改良事業団体連合会が応募し採択された事業である。事業計画は、最大出力5kW、年間発電量30,000kW(概ね一般家庭8軒分の消費電力に相当)、水車形式はオープンクロスフロー型、事業費は25,000千円。
この実証事業の最大の課題は、用水を流下するゴミを如何に効率的に除去処理するかである。このため、当連合会は、富山県立大学、(株)エステックと共同し、模擬水理実験を重ね、除塵施設が不要などメインテナンスフリーの水車を開発したのである。
富山県は、全国2位の包蔵水力を有し、農業用水を利用した小水力発電、マイクロ発電は、本県に最適な再生可能エネルギーである。この大家庄マイクロ発電所で来年3月までの実証を行い、成果と課題を明らかにし、低コストで効率的なマイクロ発電が県内に普及することが望まれる。
また、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が7月から開始され、本発電所が、7月18日付で経済産業省中部支局管内での許可第1号として認可された。その買取価格は1kW当り35円70銭であり相当高い価格である。更に、昨年10月から売電収入が土地改良区全体の維持管理費に充当できるようになった。
朝日町土地改良区は、来年4月に、この大家庄マイクロ発電所を県土連から施設譲与の予定であり、余剰電力により得られた収入で、組合員の負担軽減並びに地域の活性化につなげていきたいと思う。