110年の歳月を経て-息づく開拓精神-
富山県朝日町の舟川新地区で、新しい圃場整備事業(経営体育成基盤整備事業)が始まった。7月17日、その地鎮祭・起工式が挙行され出席した。事業目的は、現在区画10aから1haに拡大、農道拡幅、用排水路整備等をして、大型機械に対応し、担い手の育成による高生産性農業を確立し、将来に亘り持続可能な農業、農村の維持を図ること。区画整理面積は63ha、工期は平成28年まで、事業費は12億4800万円(負担割合、国55%、県27.5%、町11%、地元6.5%)。
これだけの大規模な圃場整備事業を地元でまとめることは並大抵の事ではなく、ここに至るまで約8年間を要している。私は、祝辞の中で、「舟川新地区では、110年の歳月を経てなお開拓精神が息づいている」と述べた。それは、明治31年から39年の8年間に亘り、この地で、全国でも例が無い耕地整理を幾多の困難を乗り越えて成就した歴史がある。それも、当時、20歳前半の若者、藤井十三郎と山崎市次郎が提唱し実行したのである。将来を見据えて、地域の農村、農業のあるべき姿を模索し実践していく精神が、当地区に継承さているとの思いを述べた。人口が世界で爆発的に増加している今と将来、食糧危機から国民を守るための1つの地道で且つ有意義な取組みであると思う。工期通りに完成するよう、予算の確保に努めなければならない。