認定看護師教育機関の県内設置に向けて
5月8日、9日、私の所属する自民党福祉環境部会は、宮城県看護協会、岩手県の岩手医科大学を訪問し、認定看護師教育機関の設置の経緯や運営上の課題等について調査した。
【調査目的】
認定看護師の資格を得るには、県外の教育機関で6ヶ月・600時間以上、必要な課程を修了し認定審査に合格しなければならない事から、県内の医療現場の声として、認定看護師の教育機関を県内に設置して欲しいとのニーズが非常に強い。認定分野は、緩和ケア、皮膚・排泄ケア等21分野があり、県内には91人(2012年5月1日現在)登録者がいるが、分野にバラツキがありまだまだ不足している現状。
【宮城県看護協会】
看護協会の5年に及ぶ働きかけが実り、2008年度に宮城県が事業主体となり認定看護師スクールを開設し、宮城大学にその運営を委託してきた。2012年度から県看護協会が事業主体となり同大学に運営委託している。教育分野は、皮膚・排泄ケア。今後ニーズを見ながら、新たな分野を検討するとの事。
【岩手医科大学】
県内の病院から緩和ケア分野における認定看護師のニーズが強くあり、また、東北6県のニーズ調査をした上で、2011年3月から認定看護師教育機関審査の準備に入った。同年11月に教育機関認定を受け、選抜試験を経て本年6月開講する運び。緩和ケアに続く新たな分野をどうするかは、今後の課題との事。開設に当っての課題として、①教員や講師の確保(同大学では2人の専任教員と67人の非常勤講師)②実習施設の確保(同大学では全国に22箇所)③研修生の確保(同大学では、岩手県6人、他の16人は東北5県から)。
【視察から学んだ事】
(1)医療・看護関係者の熱意と県のヤル気
(2)隣県(石川、福井、岐阜等)のニーズ調査(研修生が集まらねば運営できない)
(3)教育分野をニーズに応じて変更していく柔軟な考え、等が特に必要な事と思う。有意義な視察であった。