がん対策PT報告③-少しずつ課題が見えてきた
がん対策PTは、11月4日、県健康増進センター、県立中央病院、市立砺波総合病院、ナラティブ・ホーム(砺波市)の4施設を視察し意見交換を行った。がん医療の抱える課題が少しずつ見えてきたように思う。
【1】早期発見のためのがん検診受診率の向上について
・市町村にバラツキがある。(H20厚労省データ、肺検診)
例)入善町73.7%、立山町46.0%、南砺市66.8%、高岡市20.3%
・小、中、高の教育の中で検診の大事さを教える必要性
【2】がん認定看護師の増員について
県立中央病院、市立砺波総合病院とも、がん認定看護師の増員の必要性を訴えておられた。現在、中病で4人(緩和ケア2人、乳がん1人、化学療法1人)、砺波総合で1人(化学療法)の認定看護師がいる。
【3】緩和ケアーについて
・がん治療の初期段階から死後に至るまでの緩和ケアーの必要性(包括的がん医療における緩和ケアーという考え)
・多職種による緩和ケアーチーム体制が必要。中病では、臨床心理士と医療ソーシャルワーカーの配置を特に望んでおられた。また、砺波総合では、東洋医学科の医師がチームの一員であった。
【4】高齢者の終末期医療と居住について
ナラティブホームの佐藤伸彦医師・理事長の考え方と実践に感銘を受けた。それは、超高齢社会において、人生の最終章をその人らしく過ごしたいという、高齢者や家族のニーズに応えようという志である。
あと約15年~20年後の2025年~2030年には、富山県でがんによる死亡者が5千人を超えると推定される。この時の看取りは病院だけでは無理。このナラティブホームはこれからの終末期居住の優れたモデルと言われる。