黒部峡谷の現地視察
9月28日、立山・黒部を愛する会(愛称)(会長:宮腰代議士、理事長:鹿熊)が主催し、黒部峡谷の鐘釣方面と黒薙方面の現地視察を行った。好天に恵まれ48名の参加があった。視察目的は、①鐘釣周辺における不帰谷の土砂堆積状況とその影響の確認、②黒薙温泉周辺の新たな魅力の発掘、である。視察後、宇奈月セレネで参加者による意見交換を行った。以下、私の印象や参加者の意見を記す。
【鐘釣周辺】
不帰谷の土砂堆積は著しく、川の流れを止め小規模な湖の状態になっていた。その限りでは美しいが、堆積が更に進めば、湖が拡大し観光客が河原に降りられない影響や下流部の河床の更なる上昇を招く。私は、改めて厳しい自然条件を認識した。人工的に土砂崩壊を止めることが不可能とすれば、堆積土砂の自然流下の頻度を上げるとか、例えば葛の種を蒔くなど自然の植生による土砂止めを検討してはどうか、等の意見があった。また、黒部峡谷の魅力を伝える「人」の重要性を述べる意見があり印象に残った。
【黒薙温泉周辺】
私は、はじめて、黒薙駅から黒薙温泉へ約600メートル歩いた。かなりハードな行程だけど、鐘釣周辺や欅平周辺では味わえない美しくスケールの大きい峡谷美を間近に見て正直感動した。滝も良かった。帰りは、資材運搬用トンネルを通った。楽ではあるが感動はゼロだ。やはり、苦しければこその感動を知った。
国土交通省の竹内黒部河川事務所長、県から観光・地域振興局、土木部、生活環境文化部、教育委員会の各幹部も参加され、参加者全員がこれからの黒部峡谷を真剣に考える一日となった。